



大事な仕事は逃げない部下≠ノ任せる
PHP BUSINESS THE21 2009.06号
百年に一度の不況と言われて久しい。大手企業の決算は軒並み赤字。派遣社員をはじめ、非正規雇用の契約終了。ある人事コンサルタントによれば、2010年には正社員の大規模なリストラが始まるという。非効率で無駄が多いホワイトカラーにいよいよメスが入るのだ。誰でもできる仕事に価値がなくなる時代がくる。
最近は『不況に勝ち残る法』とか『不況をチャンスに変える仕事術』等というビジネス書をよく見かけるが、中途半端なノウハウものは役に立たない。小手先のテクニックでどうにかなるほど、今の世の中は甘くはない。 逆境にいちばん強いのは、何事からも逃げない°C持ちと姿勢だろう。自分の置かれた不利な立場や、目の前の困難な仕事から逃げたいのは誰でも同じだ。逃げたら一瞬はラクにはなるが、逆に大きな信用を失う。信用を失えば、誰からも援助を受けられず、結果チャンスも失ってしまうのだ。
かつての部下にとにかくよく泣くA子がいた。電話にも上手に出られなくて、不器用で、でも完ぺき主義で、求められる仕事ができない自分に腹を立てて泣いていた。彼女は面倒くさい仕事も、困難なことにも、イヤな人にも、いつでもきちんと向き合っていた。彼女の他に仕事がそこそこできる要領の良いB子もいたが、私が信用して大事な仕事を任せていたのは、泣き虫で不器用なA子だった。彼女に聞けば何でも判る。地道な努力を重ね、数年後、彼女は社内で大きな存在になっていた。
世の中全体が不安に駆られている今、安心するために安易に資格など取ってみても何の意味も持たない。時間をかけて人から得る信頼こそが、厳しい時代を生き抜く武器となるだろう。
株式会社 キャリア・ン(careean)